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糸魚川中央ロータリークラブ
チャーターメンバー
(故) 斉藤 秀偉

 当クラブのバナーについてお問い合わせが多いので、由来を書いてみます。
古代、この地方は沼河国(ぬながわ)といわれ、多くの集落が代々沼河比売(ぬながわひめ)という巫女を首長としていたと伝えられています。この姫に対する大国主命(おおくにぬしのみこと)の求婚神話は出雲の古伝承でありましょうが、この古事記の神語歌は、その劇的な構成と、特に沼河比売部分の妻間(つまど)い物語の官能的描写の調句で有名であります。原文は五七五七音で続く流麗なものであります。
この神婚の意味は、1.賢女(さかしめ)麗女を得る(古事記) 2.領土拡張の手段とし(出雲風土記) 3.ヒスイの魅力のため等、いろいろ推測できますが、沼河の国でも、古代以来の巫女王では統制が難しくなっていて、時代のすう勢は出雲国のように男性の王を必要としていたのではないかとも考えられます。
この両神の間に、諏訪大社の祭神建御名方命(たけみなかたのみこと)が生まれたとされています。
そしてこの命が大和政権への出雲の国護り神話の立て役者として大和政権の武神群と大いに戦い、敗れて母の国沼河に逃れて来たが、再起をはかって信濃ノ国へ入り諏訪湖に至って降伏、出雲政権は滅亡するわけですが、その抵抗のすさまじさにより武神として祭られています。
経済大国の女王としてその統制に苦悩し、母として建御名方を憂いながら叱咤激励、北海の海鳴を背に遠い将来を見つめて立つ威厳にみちた奴奈川姫(沼河比売)の姿、それが糸魚川中央RCのバナーであります。